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日本の名車
ホンダ・S600
 (昭和39年3月~昭和40年12月(1964年~1965年))


レッドゾーンは 9,500rpm から・・・
 単車ならいざ知らず、市販の四輪車でここまで高回転型のエンジンは
  S600が最初で最後だろう。
   今時のクルマでは、トヨタ86は 7,500rpm、ホンダのタイプRに載せられてきた
    K20Aでも 8,000~8,600rpm あたりがレッドゾーンであった。
 S600は決して速い車ではないが、左右出しにされた2本のエキゾーストパイプ、
  これぞスポーツカーと思わせる味のあるボディライン、超高回転型のDOHCエンジン
   そして、606cc しかない排気量は、ユーザーに高回転を使わせることを可能にした。
    


豊満かつ流麗なデザイン
 今の熟年世代が子どもの頃に憧れたスポーツカーのデザインは、
まさしくこのようなものであった。
 最近では、空力性能を重視してコンピューターに描かせたり、ある
いは若そうなデザイナーの平面的な思考回路に任せたのでは、
S600のような膨よかで豊満で、かつ流麗なデザインは出てこない。
コンピューターでデザインを仕上げると、曲線は曲線であっても一定
のアルゴリズムに基づいた単純な曲線になってしまうのである。そ
のようなものからは、人間が直感的に感じる温かさなどは全く感じら
れないわけである。
 S600(あるいは次期のS800も含めて)の中古車のタマ数は極めて
少なく、見つかったとすればそれこそ非常識なほど高い値段が付け
られている。それほど魅力あるクルマなのである。



 幌を付けると高さが分かってクルマが小さく見えるため、やはり
オープンの姿が美しい。



 両サイドのフロントからリアに伸びる銀色のモールが前後方向の
流れを作っている。


 引き締まりながらもふくよかなお尻である(*゚v゚*)♪"
 左右2本出しのエキゾーストパイプがかっこいい。多数本出しの
エキゾーストパイプはクルマ好きの憧れでもある。将来たとえ全
てが電気自動車になっても付けておきたいものである ^^;



 スポーツカーのコックピット
 右端は180km/h まで刻まれたスピードメーター、その左隣は1万
1千回転まで刻まれたタコメーターで、レッドゾーンは9,500回転か
らである。その左隣には少し小径の水温計、その左隣は上が電流
計、下が燃料計の2種類がまとめられている。
 ステアリングは当時の常識である細グリップ&大経の3本スポー
クである。


 シートにはヘッドレストがなかったのが当時の規格であるが、一
応バケットシートである。シートベルトは腰部分だけの2点式。
 真に二人だけの空間である。



 606cc、水冷直列4気筒DOHC、4連装キャブレター。HONDAの
ロゴがカッコ良い。
主要諸元 S600
全長×全幅×全高 3,300×1,400×1,200mm
ホイールベース 2,000mm
車両重量 715kg
エンジンタイプ 水冷4サイクル直4DOHC
エンジン形式 AS285E
総排気量 606cc
圧縮比 9.5
最高出力 57ps/8,500rpm
最大トルク 5.2kg・m/5,500rpm
最高速度 145km/h
加速(0→400m) 18.7秒
変速装置 4速マニュアル・フロア
サスペンション前 ダブルウィッシュボーン
/トーションバー 独立懸架
サスペンション後 トレーリングアーム
/コイル 独立懸架
駆動方式 FR
タイヤ 5.20-13 4PR
乗車定員 2人


寸法は今の軽自動車よりも小さい
 全長は現行の軽自動車の規格よりも10センチ
短く、幅は8センチ狭い。そんなに小さいのに、写
真を見ただけでは小さく見えない。これは即ちデ
ザインが素晴らしいわけである。




高級感漂う細部の作り
 S600は実に立派な芸術品である。作り手の情
熱が伝わってくる。錆びたからと言っておいそれ
と廃車にできない一品である。
 コストを抑えて量産化している現代のクルマで
はこのような込み入った曲線の連続は不可能で
ある。




 当時はみんなバイアスタイヤであるため、13イン
チだとけっこう大経になる。スポーツカーらしい外
観を与えている。



 リアには比較的広いトランクルームがあり、床下
に同サイズのスペアタイヤが収められる。




 スポーツカーの心臓部
 606ccしかない小さなエンジンであるが、4気筒
であり、当時としては高度なメカであったツインカ
ムが採用されている。
 ホンダは1964年から1968年に初めてF1に参戦
したが、その時のエンジン技術がいくつも採用され
ているといわれている。S600も、いくつかのレース
に参戦し活躍してきたようである。
 0→400m の加速タイムは18.7秒とのことである
ので、この数値であれば現代の自然吸気の軽乗
用車とほぼ同じぐらいの加速力である。ターボ過
給している軽乗用車であれば、17秒台前半から
速いものでは16秒台に入ることもあるため、それ
に比べればかなり遅いわけである。1.2L~1.5Lの
コンパクトカーは軽乗用車よりも力はあるが車重
も重いため、およそ17秒台から18秒台に入る。し
かし、S600は当時としては速かったわけである。

 S600 の新車があれば欲しい
 乗らずに眺めているだけでも癒されるデザインやメカニズム・・。競争したら軽トラックに置いていかれそうなので(^▽^);
煽られても決して張り合わずにゆっくり流し(^▽^);、大切に大切に乗る(*゚v゚*)♪"
 ちなみにダイハツの軽トラック(ハイゼット)のスペックは53ps/7,000rpm、6.5kg・m/4,000rpmであるが、これは今の時代
のネット表示なのでグロス換算すれば60psぐらいになって、S600 の57psよりも高性能になる。低速トルクはハイゼットの
ほうがだんぜん強いし、車重はハイゼットのほうが700kg(2WDの場合)と15kg ほど軽い。・・・となれば明らかにハイゼット
の方が速いであろう。
 要はそういう次元での価値ではなくて、S600 は芸術品であり、美術品であり、歴史的な遺産である。重要文化財に指
定されてもおかしくはない。当時の多くの技術者の方々の夢と情熱が凝縮された一品である。


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