栄養


栄養とは?
・私たちは、食べたり、水を飲んだり、酸素を吸ったりしないと死んでしまう。排泄できなくても死んでしまう。
<換言すれば>
 生物は外界から必要な物質(栄養素、水、酸素など)を摂取し、それを利用して成長、活動、繁殖
 し、不要な成分は体外に排泄する。

 これらの活動全体を「栄養」という。「栄養素」と「栄養」を混同しないこと。

必要な栄養素を自分の体内で作れないのか?
・一般的な植物の場合、水、水中のミネラル、空気中の二酸化炭素、および太陽光のみで必要とする栄養
 素を作ることができる。
 →このような植物は、光合成独立栄養生物と言われる。
・ヒトの場合、体内で作れる栄養素と作れない栄養素がある。
 作れない栄養素としては、必須アミノ酸必須脂肪酸ビタミンミネラルなどがあげられる。
 たとえ作れたとしても、活動で使って失う分は補充しないといけない。
・ヒトは、独立栄養生物などが作った物質を利用してはじめて生きて行くことができる従属栄養生物である。

栄養素は、大きく5つに分類される
・三大栄養素
  糖質※  ②タンパク質  ③脂質
 ※ここで言う糖質とは、厳密には消化性糖質のことであり、炭水化物から食物繊維を除いたものでもある。
・五大栄養素 (上記の3つに次の2つを加えたもの)
  ビタミン  ⑤ミネラル

栄養素のはたらき(機能)
 ①体を構成する(成長させる、修復する)。
   タンパク質、ミネラル(カルシウムなど)が多く使われる。
 ②エネルギーを生成する(生きる、活動する)。
   糖質や脂質が多く使われる。
    1グラムあたりの発生エネルギー量
    糖質:4.1kcal   タンパク質:4.2kcal   脂質:9.3kcal
 ③代謝を調節する(体調を維持する)。
   ビタミン、ミネラル、タンパク質(酵素)が多く使われる。

原始人類の食生活
 食物に合わせて体が変化してきた

・原始人類は、栄養に関する知識は多くは持ち合わせていなかったと思われる。
 食べられそうなものを食べて生きてきた。
 そして、数百万年という長い時間をかけて、食物に合った独特の体が出来上がった。
  ユーカリの葉を食べるコアラの体がユーカリだけでも生きていけるように変化してきたように、日本列島に
  住みついた原始人は、日本列島で手に入る食材で生きていけるように変化してきた。
・縄文人(約16,500年前~約3,000年前、中石器時代ないし新石器時代、稲作開始以前)の食生活は、
  主食 : ドングリなどの堅果類(ドングリ、クリ、トチ、クルミなどの実)
  副食 : 動物の肉(猪、鹿、イルカ)、魚介類、海藻類、根菜類(ヤマイモ、ワラビ、フキなど)など
・すなわち、数年や数十年、あるいは数世代では体も遺伝子も大きく変化することはない。食生活の大きな
 変化にはヒトの体は対応できるはずがない。


栄養素のバランスは重要
・栄養素の収支バランス(出納)は、生体に与える影響を把握するためにたいへん重要である。足りないと生
 きられないし、多すぎても病気になって生きられない。

               人体の成分(%)
              男      女       食事から摂取(%)   1日の摂取量(g)※
   ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
   水分        61     51         70
   糖質         0.5    0.5         19.7           267.5
   タンパク質    17    14           5.2            70.8
   脂質        16    30           4.0            53.7
   無機質・その他  5.5    4.5          1.1            15.3
   ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
  ※ 平成19年度国民栄養調査・20歳以上の平均値。
    1960年では糖質の摂取量は約400gであったが、年々減少してきた。
  ◆食事からの摂取は糖質が圧倒的に多いが、体成分ではかなり少ない。
    →主にエネルギー源として使われていることがわかる。
  ◆体成分ではタンパク質、脂質、無機質が多い。
    →体の主な構成成分として利用されていることがわかる。

・上表の数字を元に栄養バランスをエネルギーバランスとして計算すると、
 現代人 糖質     267.5g/日 × 4.1kcal = C
       タンパク質   70.8 〃   × 4.2 〃 = P
       脂質      53.7 〃   × 9.3    = F    とすると
 現代人の摂取エネルギーバランスは   C:P:F= 58:16:26
 縄文人(「糞石」分析より得た) 〃           62:12:26 (データ:近畿大学・光永俊郎氏)
 厚生労働省推奨          〃           60:15:25
・すなわち、厚生労働省の推奨値は、縄文人や平成19年の日本人の値と大差が無い。微妙な数字の違い
 をどのように解釈するのかは様々であろうが、おおよそこのあたりのバランスになるように食べれば良いで
 あろう。(脂質の単位重量あたりのエネルギーは糖質やタンパク質の2倍以上あるので、脂質の重量比と
 してはこれに約4/9を乗じる必要がある。

必須○○○やビタミンやミネラルを食べないと生きられない
・私たちにとっては、外部からの摂取に頼らざるを得なくなった栄養素がいくつもある。そのへんにあるものを
 何気なく食べていたのでは、病気をしたり、やがて死んでしまったりする。
・その主なものは、必須アミノ酸必須脂肪酸、ビタミン類(水溶性ビタミン脂溶性ビタミン)、ミネラルなど
 であり、別ページにて紹介する。


<関連リンク>
糖質(炭水化物)  タンパク質  アミノ酸  必須脂肪酸  中性脂肪  コレステロール
脂溶性ビタミン  水溶性ビタミン  ミネラルの話  カルシウム
痩せる方法

2011年12月  stnv基礎医学研究室・清水隆文

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