頭を良くする方法


1.「頭が良い」とは
 日常生活において、「あの人は頭がいいなぁ」と感じるのはどのような時か?
  <学童時代~学生時代ならば・・・・>
     テストでいつも良い点数を取る人間に出会ったとき。
    (これは、やがて、高学歴なのに仕事ができない人間に出会い、間違いだと分かる)
    あるいは、全く勉強をしている気配がないのにそこそこの点数を取る人間に出会ったとき。

  <社会人ならば・・・・>
    何でも無難にこなし、たとえ問題が起こってもそつなく解決し、新しい事にもどんどん挑戦し、周りの
    雰囲気を明るくし、皆から信頼されている。それでいてけっして偉そうにも威張りもせず、二人きりで
    話しても話題が豊富で気さくで楽しく、何でもすぐに分かってくれ、頼りになる人間を見たとき。

【定義の例-その1-】
 多くの人(や生き物)に、より多くの幸せ、心地良さを与える能力が高い。

  <科学者ならば・・・・>
    私たち人間は、この地球という星のおかげで存在し得る。無数とも言える星々の中で、数々の偶然が
    重なり合って地球が誕生し、またそこに偶然に生じた生命は種類を増やし、それぞれが今や絶妙な
    バランスを保ちながら助け合い、それぞれが美しく進化を続けている。自然の摂理をよく学んで知り、
    この環境を乱すことなく生きるためのより良い方法を見出す人間こそ頭の良い人間である。

【定義の例-その2-】
 地球に生まれた生命体としての生き方の理想を知り、その実現に向かう能力が高い。

 頭が良いと言えない人間は・・・
  悪巧みをし、人をだまし、もっぱら自分の利益を追求する人間
    (社会を理解する能力、社会人基礎力が全く無い。)
  環境や後生のことを考えもせず、自分のために生きる人間
    (全くの勉強不足、愛を司る神経系の未発達。)
  勝つということにのみ執着する人間
    (野生動物は強い遺伝子を残すために闘争するが、高知能の人間がすることではない。)



2.頭を良くする方法
   脳細胞を、使う、休める、養う
    (脳細胞の活動と休息にメリハリをつける)


2-1.使う
 生体のあらゆる部分は、使われないと「廃用性萎縮」する。これは、限られたエネルギーを有効に使うための
 自然の摂理である。使われる神経回路は増強され、使われない神経回路や細胞は消滅する。従って、使い
 続ける必要がある。そして、ある程度酷使することにより、それを楽にこなせるように神経回路が増強される。
 近年流行った「脳トレ」の効果は、体験したその課題のみが得意になるだけで、使わなかった他の神経回路
 には影響を及ぼさないことがわかってきた。
 すなわち、脳内は高度に分業化されている

 では、具体的に、どのような使い方が良いのか。
 基本的には、より人間らしい使い方が良く、さほど安易ではなく、複合的・応用問題的な課題にチャレンジす
 るのが最も良いと考えられる。


<頭を良くする その1>
「世話をする」
  他人の世話、ペットの世話、野菜の世話など。世話をする立場の人は頭がどんどん良くなっていく。世話を
  するというのは、対象を可愛がり守り育て、対象の意向をも汲み取り、どうするのが良いのかをあれこれと
  試行錯誤しながら継続的に行うものであり、脳の様々な領域が使われる、たいへん高度な知的活動であ
  る。感謝されたり褒められたりすることは、脳の報酬系が刺激されることになり、さらにやる気が高まる。


<頭を良くする その2>
「美を追求する」
  身なりを整える、部屋を綺麗にする、美しい肉体になる、心を美しくする、美しい行動をする、絵を描く、庭を
  造るなど。美しいものを見て感動しているときには、脳の多くの領域が活発に活動しているという。
  さらに、美を自ら創作するというのはかなり高度な知的作業であり、見ているだけのときよりも、もっと多くの
  領域が活発に活動していると考えられる。


<頭を良くする その3>
「真理を探究する」
  何でも見てやろう、知ってやろうとする好奇心を強く持つ。真理はいつどんなときにも変わることのない、
  正しい物事の筋道であり、単純明快であり美しいことが多い。知りたい時に入ってきた情報は速やかに
  記憶され、「わかった」瞬間、新たな神経回路が構築される。わかったときの満足感も報酬となる。


<頭を良くする その4>
「将来の夢を描く」
  何歳になっても将来の夢を描き、その実現に向かって行動する。そのへんでいいだろうと思った瞬間、すな
  わちゴール地点が見えたとたんに、脳の活動は低下する。停止位置よりも手前から減速していくのが自然
  の摂理である。良い自己像、美しい自己像を描き、それに向かうことが大切である。


<頭を良くする その5>
「文章を作る・書く」
  これも人間ならではの高度な活動であり、文章を練っている間にワーキングメモリ(作動記憶)を含めた多く
  の脳領域が使われる。文章を書く機会が少ない人であれば、日記のようなものでも良い。




どこででも簡単にできる脳の部分強化法

<頭を良くする その6>
「新聞を速読する」
  どんな時にもよく使う回路は高速化しておこう!!
  速読の日常化によって学習能力だけでなく運動能力も向上したとする話もあるが、少なくとも頻用する回路
  なので、速いに越したことはない。これはけっして「飛ばし読み」や「斜め読み」ではない。
       【普通の読み方】  文字 → 音声化(黙読) → 解釈
       【速読】         文字 ――――――――→ 解釈

  新聞を読んでいるときに、口をもごもご動かしながら読んでいる(一度音声化している)場合は、その速度は
  脳の処理能力に較べてかなり遅い。これからは、目に入ってきた文字列を直接に解釈するようにする。


<頭を良くする その7>
「覚えようとする」
  記憶する行為を繰り返すほど記憶力は向上する。1~2週間前の記憶は海馬で処理中であると言われて
  おり、少なくとも海馬は記憶に関係していることは確からしく、使うことでサイズが大きくなるという。


<頭を良くする その8>
「勉強する」
  学校教育に取り入れられてきた手法である。覚えたり考えたり問題を解いたりすることで神経細胞同士が
  ネットワークを増やしていくとされている。狼に育てられた子どもは人間らしくはなれなかった。既存の知識
  との関係が明らかになった時点で「わかった」となるわけであり、知識量は多ければ多いほど理解が容易
  になる。一つの対象についても多くの視点から見ることが可能になり、正しく判断できることにもなる。




2-2.休める
 クジラやイルカは水中で溺れないように、泳ぎながらも脳の半分ずつを眠らせて脳を休めていると言われるが、
 そこまでして脳を休める必要性があるらしい。休んでいる間に損傷した神経細胞が修復されるのだという。

<頭を良くする その9>
「適切に寝る」
  夜中の1~2時が中心になるように7~8時間寝る。寝ている時間に、損傷した神経回路が修復されたり、
  海馬に保存してある短期~中期記憶が整理されて長期記憶に刻まれるといわれている。


<頭を良くする その10>
「少しきつめの運動する」
  運動の種類によっては脳の多くの領域を酷使することにもなるので、速歩きやジョギングなどの単調な運動
  がお勧めである。勉強をせずに運動ばかりをして頭が良くなるわけではない。


<頭を良くする その11>
「好きな趣味に没頭する時間を作る」
  日常的な仕事などのストレスで酷使される神経回路とは別の回路を精力的に使ってやる。映画鑑賞などで
  涙を流すのも良いが、このような受動的なものではなく、自分から積極的に何かを行うものの方が効果的で
  ある。日頃使われていない思考回路が強化されることも期待できる。




2-3.養う

<頭を良くする その12>
「良い食事をする」
  健全な脳を作るには健全な食事をすることが大前提である。何が良いのか良くないのかの情報は時代と
  ともに変化する。栄養素に過不足がないよう、多品種小食を心がけることが最もリスクが少ない。基本的に
  は日本人には日本古来の和食が最も体質に合っているはずであり、その食材としてはマゴワヤサシイ(豆、
  ゴマ、ワカメ、野菜、魚、椎茸、芋)などの覚え方があるので、食事の時にはこれでチェックすれば良いであ
  ろう。
  そして、時代背景上、不足しがちになっているαリノレン酸あるいはDHAの適量を追加摂取する。
  その他、精製されたものばかりを食べさせられている以上、ビタミンやミネラルなどのサプリメントも有効で
  ある。ミネラルの中では、マグネシウムが記憶力や学習能力を向上させることが確認されている。(ただし、
  過剰症が存在するので摂取量には注意する必要がある。厚生労働省による摂取基準は、1日において
  80mg~300mgの範囲内、許容上限は成人では600mg~700mgあたりに設定されている。)


<頭を良くする その13>
「間食をせず、しっかりお腹を空かせてから通常の食事をする」
  空腹時に胃で産生されて血中に放出されるグレリンというホルモンは、下垂体に働いて成長ホルモン分泌
  を促進し、視床下部に働いて食欲を増進させ、脳の報酬系を活性化させてやる気を出させ、海馬に働いて
  記憶力を上げるとの報告がある。お腹が空いたから狩りに出る、満腹になったら寝るのである。
  その他、飢餓状態(絶食状態)が脳の働きを活発にするという話は多くあり、頭を良くするためにも空腹の
  時間を多めにとることが大切であろう。


<頭を良くする その14>
肥満にならない
  肥満になると、脂肪細胞から多量のレプチンが分泌され、脳の報酬系が抑制され、何かに成功しても快感
  が得られにくくなり、やる気がなくなる。


<頭を良くする その15>
「寒さに曝す」
  暖かいよりは寒い方が、脳の働きが活発になるという意見が多い。では何度が最も頭を良くするのかという
  疑問については解答が難しいであろう。衣服の状態にもよるわけであり、頭部だけを冷やせば良いのかと
  いった問題も出てくる。いろんな意見があるが、少なくとも20℃以上の暖かな環境が頭に良いとする意見は
  ほとんど見当たらない。おしなべて言えば20℃以下が好ましいわけであり、冬場であればむやみに室温を
  上げるのはやめておきたい。天から授かった寒冷期を有効に使わせていただこうではないか。


<関連リンク>
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2011年7月 stnv基礎医学研究室・清水隆文

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