ラパンSS  (TA-HE21S-2型 5速マニュアルシフト)
ブーストメーター取り付け
ラパンSSの過給圧

 このラパンSSは、2005年9月に購入し、2012年
の9月でちょうど7年目になりました。これまでの
走行距離は12万3千㎞となりました。けっこう走
っていますね。
 数十年前の軽自動車なら、ぼちぼち寿命かな
という年数と走行距離です。しかし、このラパン
SSはまだまだこれからです。

 ラパンSSの概要やこれまでに自分で行ったメ
ンテナンスの話の前半は、「日本の名車シリー
ズ。スズキ アルト・ラパンSS」
のページに記載し
ていますので、もしよかったら見てください。
ラパンSS
ラパンSS ラパンSS
{購入6年後(2012年10月) 12万キロ走破@ラパンSS}
 今までに故障はなく、消耗部品以外の部品交換や変更もなく12万㎞を走破しました。日常的には私の妻
が使っており、運転のされ方はごく一般的なものであって、けっして過酷な運転や操作はされていません。
 しかし、人生にたとえれば、このラパンSSは中年期に入ってきたと言えます。各部分が正常に動作してい
るかを少し詳しくモニターし、不具合が出れば早期に対応してやることが長寿の秘訣だと思っています。





ブーストメーター取り付け
 ターボ車であるからにはターボによる過給圧がどの程度なのかはぜひ知りたいところです。ブーストメー
タを既に付けてらっしゃる方々のデータやメーカー側の基準を見てみると、意外に大きな個体差が存在す
るようです。すなわち、同じラパンSSであってもクルマによって過給圧のかかり方が少し異なっており、そ
れに比例してパワーが異なっているということになります。過給圧の制御には電子的なもの以外にアクチ
ュエーターなどの機械的なものが含まれていて、そういった部品の個体差によるところが大きいのではな
いかと思われます。
 何はともあれ、まずブーストメーターを設置して、このK6Aターボエンジンの過給圧の特性を調べてみよ
うと思います。過給圧が低いのであれば、限界点ギリギリまでブーストアップしてやることも視野に入れて
チャレンジしてみようと思います。

BLITZ社製 電気式φ52 BOOST METER (RED)
 選んだメーターは、BLITZ社製の電気式でφ52、文字盤が赤く光るタイプのも
のです。
 一般にブーストメーターは電気式のものと機械式のものがありますが、それぞ
れ一長一短です。電気式は過給圧センサーをエンジンルーム内に設置し、そこ
からの電気信号のみをメーターに送り、指針はメーター内の小型ステッピングモ
ーターなどを介して駆動されます。配管が短くて済むため圧力の損失が少なく
設置も比較的簡単ですが、指針の反応には少しのタイムラグがあるし、価格が
少し高めです。
 一方、機械式は配管のチューブそのものを直接に室内のメーターまで引っ張
ってくるために配管が長く、チューブの損傷には充分に気をつけないといけない
し、チューブの容積拡大による圧力損失が大きくなりますが、それでも指針の
反応はほぼリアルタイムであるし、価格は比較的安価です。


車内配線
 まずタコメーターが設置されている方のメーターパネルを外します。ネジなどは無いので、強く手前に引け
ばパネルにタコメーターやサイドミラー調整コントローラーがくっついたまま外れます(けっこう硬いですから、
何かでこじ開けるのも良いと思います。)そしてタコメーターなどの配線コネクターを抜きます。
 このブーストメーターに必要な電気配線は計4本でした。下の写真の黄色の線はイルミネーション(スモ
ールランプONの時に通電するもの)、真ん中のオレンジ色の線はイグニッション(エンジンがかかっている
ときに通電するもの)、その右の黒色の線はアース、右端の赤色の線は常時電源です。アースのみをサイ
ドミラー調整のコネクター(黒色)の黒線部分に割り込ませ、その他の3線はタコメーターのコネクターの該
当する箇所にに割り込ませて接続しました。
ラパンSS・ブーストメーター配線
 
 ちなみに、タコメーターのコネクターは、左からイルミネーション(赤黄)、回転数
(茶色)、常時電源(赤白)、アース(黒)、イグニッション(黒赤)となっています。
このコネクターから必要な電源は全て取れるのですが、安全を考えてアースの
み、ミラー調整のコネクターから取りました。
 これらの線の先は束ねられて、一つはブーストメーターに接続するコネクターと
なり、分岐したもう片方はエンジンルーム内のセンサーに接続するコネクターと
なります。エンジンルームへの配線は、ダッシュボード横裏の隙間→ドアの隙間
→右フェンダー空間→エンジンルームへと這わせました。どこに穴を開けるわけ
でもなく簡単に配線できました。

(参考:タコメーター
 用コネクター)


エンジンルーム内配管&配線
 下の写真の少し左上あたりにT字の黒い配管が見えると思いますが、左右に走っているチューブをこの
あたりで切断し、付属部品である三ツ又を差し込んで過給圧センサーのチューブを接続しました。手前
(画面で言えば、ひらがなの「し」の字に見える下方に伸びている黒いチューブ)が過給圧センサーに向
かうチューブです。この終点に付いている黒い小さな物体が過給圧センサーです。この位置に固定でき
るボルトがあったので、それに共締めしました。チューブの下方に見える少し細めの黒い線が車内とつな
がる線です。以上で配管および配線は終了です。
ラパンSS・ブーストメーター配管


ブーストメーターの設置位置
 ブーストメーターの取り付け位置はいろいろ迷いましたが、走行中になるべく視線移動が少ない場所で、
しかも運転にあまり支障のない場所ということで、ダッシュボード左上にしました。
ラパンSS・ブーストメーター
ラパンSS・ブーストメーター  このブーストメーターの文字盤は、写真では
オレンジ色っぽく写っていますが実際は赤色
です。
 昼間は明るく(高輝度で)、夜などのスモー
ルランプorヘッドランプ点灯時には少し輝度が
下がってまぶしくはありませんでした。






ラパンSSの過給圧(ブースト圧)
ラパンSS・過給圧
アイドリング時は
 -0.60kgf/cm²

 左の写真はアイドリング時の状態です。
指針は-0.60kgf/cm² を指しています。過給
圧計の機能と負圧計の機能を併せ持ってお
り、連成計とも呼ばれています。
 -0.60 kgf/cm² は計算上は-441mmHg に
なりますが、これは正常なのでしょうか?
正式な整備データ見つかれば追記します。 
ラパンSS・過給圧
3速全開(登り勾配)
 最大過給圧 0.95kgf/cm²

 デジカメを持っていなかったため、手持ちの
iPhoneで撮影しましたが、ピントが合っていな
いのと手ブレの両方でたいへん見にくい写真
になりましたが、目盛りは上の写真と比較して
もらえればわかると思います。ちなみに撮影
は私、ドライバーは妻です^^;
 目盛りは 0.95 kgf/cm² を指しています。
3速ギアでは、登り勾配ではあるものの、あっ
という間に車速が上がり、4000~4500 rpm
を過ぎるあたりから過給圧は下がっていき、
軽自動車の馬力自主規制値に近づけようと
するようです。

ラパンSS・過給圧
4速全開(およそ3500rpm)
 最大過給圧 0.85kgf/cm²

 平坦路での発進時は、3速ギアでは最大過
給に達する前にエンジン回転が上がり、上手
く撮影できませんので、ナイショで4速ギアで
の全開を試みてみました。
 左の写真はエンジン回転およそ3,500 rpm
辺りの過給圧です。目盛りは 0.85 kgf/cm²
を指しています。(車速は法定速度を超えて
いますので、ここには書けませんでした。)
 エンジンがもう少し高回転のほうが過給圧
は高くなるはずですので、またのチャンスを
伺います。
ラパンSS・過給圧
4速全開(およそ3900rpm)
 最大過給圧 0.9kgf/cm²

 ノーマル状態のラパンSSにおいて、加速中
に最大過給が得られるのはエンジン回転数
が3,900 rpm 前後だと思われます。これは以
前に拝見した他の方の計測データに示されて
いました。カタログ上の最大トルク発生回転数
は3,500 rpm ですが、加速中ではあっという
間にエンジン回転数が上がっていきますから、
それを過ぎたあたりに最大過給ポイントがくる
のだと思います。
 このあたりのエンジン回転数では、過給圧
は最高で 0.9 kgf/cm² あたりを指します。平
坦路での4速全開走行では、すぐに車速が
危険領域に入りますので、この後すぐに減速
いたしました。

一般道での過給圧について
 以上の実験でおおよその過給圧の特性がわかりました。撮影できなかった、いわゆるオーバーシュー
トという一時的な高過給は特に観察できませんでした。一瞬 1.0 kgf/cm² に達した瞬間があったようにも
思いましたが、それ以上に上がることはなく、いちおう健全にコントロールされていると思われました。
もっと正確には急勾配の高速道路でないと、フルスロットルで 3500 rpm 前後を維持することは困難です
ので、高速道路を利用する機会があればやってみようと思います。

高回転域での過給圧について
 軽自動車の馬力自主規制を具現化するために、このHE21S-2型のK6A は4000~4500 rpm を過ぎる
辺りから過給圧を抜きはじめ、高回転時には0.8 → 0.7 kgf/cm² などとなるようですが、一般道であった
ため、満足できる実験はできませんでした。
 高回転時に過給圧を落とすのは、あくまでメーカー側の自主規制ですので、例えば6000 rpm ぐらいま
で0.9 ~ 1.0 kgf/cm² 程度の過給圧を維持すれば、エンジン自体にあまり大きな負担をかけず、コンピ
ューターによる然調などをいじらなくても、かなりのパワーアップが可能かと思われます。ブーストコントロ
ーラーなどで少し変更してみるのも面白いですね。
 このクルマの場合、先端が絞ってある吸気ダクトを外していますが、更に吸気抵抗や排気抵抗を減ら
してやる必要があるかもしれません。ただし、ノーマルエンジンではエンジン自体のバルブリフト量などを
上げない限り、むやみに吸気抵抗や排気抵抗のみを減らしても意味がないばかりか、吸気や排気の流
速低下による低速トルクの低下をもたらすだけだと思われます。また、1.2 kgf/cm を超えるような高過
給圧に対応するためにはエンジン自体の総合的なチューンナップが欠かせないでしょう。


-------<2012年11月4日>--------------------------- 

高速道路・5速全開(登坂)時過給圧
 (車速80km/h→90km/hあたり、エンジン回転およそ3100→3500rpm)
最大過給圧 1kgf/cm²超

 (妻の単独運転のため、写真は撮れませんでした。)
 ブリッツのブーストメーターのウォーニングランプは、初期設定のまんまですので、1.0 kgf/cm²を超える
と点灯するようになっています。そのウォーニングランプが、アクセルを深く踏み込んでいる間、ずっと点
灯していたようです。妻が言うには、「登り勾配で前のクルマが遅いから、追い越し車線に出てアクセル
を深く踏んだら、お父さんがつけたメーターに付いてる赤い小さなランプがずっと点いて、メーターの針は
1を超えてたから、このままではラパンがかわいそうだと思って少しアクセル弱めた。」そうです ^^;
残念・・。 ・・ということで、実際にどこまで過給圧が上がるのかはわかりませんでしたが 、まぁ、上がっ
てもこのあたりで終わりだとは思うのですが・・。また正月休みにでも私が運転する機会があったら確か
めてみようと思います。。
 高速道路の比較的強い登り勾配で5速ギアでフル加速というのは、過給圧がけっこう上がりやすいこ
とがわかりました。車速もそんなに速くない80~90km/hあたりが一番高過給圧なのかもしれません。
ちなみに、平坦な箇所を車速が100~120km/hでクルージングしている場合はもちろんターボの過給は
ほとんどありません。「ブーストメーターは、マイナス~0kgf/cm²あたりをうろうろしていたよ。」と妻が言
っておりました。
 高速道路で特に高過給圧になる理由として考えられるのは、うちのラパンのように吸気ダクトを加工
している(細まった先端部分を取り去っている)場合、走行風によるラム圧が多めにかかるためだと思い
ます。その証拠に、高速走行中にクラッチを切ってアクセルから足を離しても、エンジン回転数は1,000~
1,200rpmあたりを維持します。従って、高速走行中は「ターボの過給圧+走行風によるラム圧」になって
いるのだと解釈されます。一般道でのラパンSSに較べて、高速道路上でのラパンSSは本当にゲンキい
っぱいなのですが、ほぼノーマルなエンジンでもこれぐらい過給がかかっているということでゲンキ良さ
の原因が理解できました。
 ブーストコントローラーなどで過給圧を1.2kgf/cm²程度まで上げるにしても、ノーマル状態で既にここま
で高過給になっていますので、少なくとも中回転域では燃調などから見直す覚悟をしないとブーストコン
トローラーの恩恵は少ないと言えます。あとは高回転域(5,000rpm~7,000rpmあたり)での過給圧は改
善の余地がありそうですが、とりあえずブーコンは今後の楽しみにしておきます(^▽^)ゞ


ターボ車の仮想排気量の計算式
 ターボ車の場合、ターボチャージャーによって強制的に空気を詰め込みますから、エンジンの排気量を
拡大した場合と同じような効果が出ます。過給している時のそのエンジンの仮想排気量は次の式で計
算されます。
 仮想排気量 = 実際の排気量 × ( 大気圧(1bar) + 最大過給圧 )
  (この場合、大気圧の単位であるバール(bar)と、機械工学などで使われる圧力単位(kgf/cm²)の
   関係は、1bar = 1.01972 kgf/cm² ですので、現実的にはkgf/cm²単位の過給圧数値をそのまま
   代入すれば良いことになります。)

 では実際に、ラパンSSのK6Aターボエンジンで、過給圧が1.0 kgf/cm²であった場合を計算してみます。
  仮想排気量 = 658cc × ( 1 + 1 ) = 658 × 2 = 1316cc

 もし過給圧が1.2 kgf/cm²であったならどうなるかも計算してみます。
  仮想排気量 = 658cc × ( 1 + 1.2 ) = 658 × 2.2 = 1447.6cc

 ターボ時代のF1マシンのように、過給圧を2.5kgf/cm²ほどかけた場合なら・・^^;
  仮想排気量 = 658cc × ( 1 + 2.5 ) = 658 × 3.5 = 2303cc

 すなわち、過給圧が1.0~1.1kgf/cm²ほどかかっている場合、軽自動車の小型軽量ボディに1.3~1.4L
の大きな排気量のエンジンを載せ、エンジンが重くなった分、全体の車重が800kgになるまで軽量化した
マシンと同じ状態になりますので、そのパワー感や実際の加速力は、車重が1t前後ある1.3Lの小型車
を遥かに上回ることになります。
 1.2~1.3Lクラスの小型車と軽ターボ車とならどちらを買うのが良いか・・の葛藤が起こりがちですが、
1.3Lの自然吸気エンジンは高回転域まで回せば馬力は軽ターボ車を上回りますが、中回転域のトルク
(回転力)はほぼ同値になります。しかし軽自動車は車重が200kgほど軽いですから、高速道路の登り
坂などでは圧倒的に軽ターボ車に余裕が出ます。あとは、ターボ車ですから、その気になれば過給圧
を上げて遊べる^^;というオマケまで付いてきます。


-------<2013年1月11日>--------------------------- 

高速道路登り勾配・5速全開実験結果
 (車速80km/h→120km/hあたり、エンジン回転およそ3100→4700rpm)
最大過給圧 1.05kgf/cm²で安定

 お正月休みに私がラパンSSを運転する機会があったので、過給圧実験の結果を報告します。
 場所は山陽自動車道で、神戸から三木の間に登坂車線のある登り勾配があったので、そこで実験
してみました。登り勾配なので、走行車線では前のトラックのスピードが時速80キロちょうどぐらいに落
ちてきたので、右側の追い越し車線の乗用車列が途切れるのを待ち、ウインカーを出しながら追い越
し車線へ・・・。そして5速のまんまアクセルを全開に・・。ブーストメーターの針はスーっと上がり、すぐに
左下のウォーニングランプが小刻みにチカチカチカっと点滅。なるほど、前回のレポートに書いた妻の
言葉通りである。ブーストメーターの針は1.0kgf/cm²を越してはいるが、1.1kgf/cm²までは行っておらず
目盛りの中間位置である1.05kgf/cm²を維持しています。アクセル全開を続けると前の乗用車に迫って
きたのですが、最初の車は進路を譲ってくれました。車速は120km/hほどに達し、ブーストメーターの
ウォーニングランプは相変わらずチカチカ点滅しています。やがてまた前の車に迫ってきたのですが追
い越し車線の車列が詰まってしまったため実験はそこで終了となりました。結局、登り勾配では車速の
80~120km/hまではブースト圧1.05kgf/cm²を維持することがわかりました。

高速道路平坦路・5速全開・リミッター作動まで
 (車速100km/h→137km/hあたり)
   (・・・しかし、この記事を証拠にスピード違反で検挙されたりして^^; あ、でもすぐに
   減速しましたから。。 それに、この記事はフィクションかもしれませんよ、お巡りさん。。)
 (エンジン回転およそ3900→5300rpm)
過給圧0.9 → 0.8kgf/cm²程度

 次は平坦路での5速フル加速を試してみました。山陽自動車道で空いている時を見つけてやってみ
ました。車速は100km/h からスピードリミッターが作動する速度(おそよ137km/h)までの加速です。
結果としては、過給圧は最初は0.9kgf/cm²ほどまで上がり、スピードリミッターに当たる頃には0.8kgf/
cm²程度になっていたと思います。登り勾配の時と違って、過給圧が1kgf/cm²ぐらいまで上がることは
ありませんでした。また、けっこう短時間の出来事なので、思ったほどの急激な過給圧低下も観察で
きませんでした。
 カタログ上の最高出力発生回転数は6500rpmですから、少なくともそこに行くまでにはかなり過給圧
を落としていかないと軽自動車の馬力自主規制はとうてい守り切れません。また機会があれば、今度
は4速ギアで試してみます。

<まだまだ続きます(*^^)v>


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「日本の名車 アルト・ラパンSS」